ぼんやりのんびり日記

ただの日常を綴ります

本音書きます。

1年前の今頃のこと、かなり痛い思い出を書きます。読みたくない方はスルーしてください、長いし。


できれば私のような失敗は、ほかの人にはしてほしくないな…と思って、恥をしのんで書きます。 (そんなの余計なお世話、かもですが。)

 

私には鍼灸師のライセンスがあります。
(ライセンスだけ。)

 

思い返せば去年の今頃、手術後 半年も過ぎ、鍼灸東洋医学に理解がある耳鼻科でアルバイトしながら鍼灸院を受けまくっていた。
でも 落ち続けていて、
もう精魂尽き果ててた時期でした…。

 

自分の中での最低ライン、
・規則正しい生活をする。
・食事は自炊する。
・部屋はいつも綺麗にしておく。

 

をしながら、ハローワークへ通い続けてて
でもアルバイトなので、貯金は確実に切り崩していき 残り50万円を切ったとき、心づもりなんかが、一気に苦しくなった。

 

私はどちらかというと楽天的な性格で、今まで実にいつもなんとかなっていたので 、「なんとかなるさ〜」的な、アテのない自信がどこかにありました。

 

でもそんなものは・甘かった。

 

このまま鍼灸師としての仕事が決まらないと、家賃を支払えなくなる。
国民年金や市民税を払うことも、奨学金も、返せなくなる。

まず、とどこおったのは奨学金だった。
学校側から(私が借りているのは学校側からの利子無の奨学金)督促の連絡がきたとき、膝をついて下に落ちる、というのを生まれて初めて体験…。

 

そりゃあそうですよ。
連絡が来るのは、しごく当たり前のことです、とどこおらせていたんだもの。
でも学校側に就職が決まらない自分の事情を説明する心の余裕すら、あの頃、残っていなかった。
(事情を連絡すると 即、猶予して頂いた。感謝しかないです。)

そのくらい、今 思い返すと、パニックに陥っていたんだと思う。

 

そんなこんな、なときハロワの入口で NPOの方がチラシを配っており、家賃支払いについて一定期間の免除制度がある、と書かれてあった。 

 

相談してみるだけ、してみようかな。

 

…相談しに行ったらそこは、本当に心底生活に困窮している人のための、施設だった。

び、び、びっくりした。←本音

 

そしてその制度は、1年前以前に定職に就いていた人が対象で、私は対象外だった。(学生だったためアルバイトしかしておらず、アルバイトでは不可だった。)

なによりショックだったのは、そこで配給されている水やパンなどをご好意でどっさり、手渡されて帰ったことだった。

そこまでまだ生活に困っていたわけではなかったし(食べるものに困るほどは。)
いわゆるTVで見るような、フードバンク、のお世話になるような立場になるとは訪ねるまで、夢にも思っていなかった。
ご好意で持たされたものを「いりません」と 断ることもできず…。

 

またまたさらにショックだったのは、
鍼灸師の人で就職に困っている人は多い
。という現実。
廃業する人も多いらしく、50代で職探しでここに来られる人も少なくないと。(「鍼灸師なんです」と言うと、年配のスマート紳士なハロワの職員さんに、眉をひそめられたことは幾度となく…。)
さんざん自分も就活に苦しんで体験してきたけど、あらためて言われると胸にずしーん、と、のしかかるものがあった。

 

「あなたのせいじゃないですからね。」

と何度も言われた。

帰り道、自分があまりにも情けなく、今まで努力してきたことは一体、何だったのか、と 人のあまり通らない道を 泣きながら、とぼとぼ帰った。 


あの思いはたぶん一生忘れられないと思う。

ここからいっとき、私は一気にボロボロになった。
鍼灸師になることを諦めるまで。
去年の2月末には、もう、諦めてました。
(その頃はもー、気力なくお化粧もせず、すっぴん…。どんだけボロボロか。)

そのあとすぐ、NPOの職員の人に付き添われて 生活困窮者対象のハロワのスタッフと面談をした。(3ヶ月以内に絶対就職を目指す、というチームの人たち)

心の中では情けなさで泣きそうになりながら、新たに担当になったうちの1人から ボサボサのボロ雑巾のようになった私は、ザバーッと斬られました。
(もちろん言葉で、ですが)

 

「そんなボサボサの眉毛じゃ、決まるものも決まらないですよ!」

 

…そこまで言うか?!と思ったけど、まずはきちっとお化粧をすることから指導された。
その人が言う通りに、眉毛整えて美容室へ行きお勧めの写真屋さんで履歴書用の写真を撮ってもらった。
それまでの写真は「却下ですね。」と一蹴
(でも二次面接までは、ほとんど その写真で 突破してたんですけどね…;。) 

 

もう、もー、もーーー、、
ちーん。。。。
って お鈴の音の響きが頭の中をかけめぐる感じで、眉毛整えて美容室行きましたよね…
ええ。

 

それで次の面談で履歴書持ってハロワへ行ったら、
「え。別人かと思った。」
言われました
どんだけボロボロか。(2度いう)
だけど身なりを整えて行ったら、なんか手のひらを返したように担当の人、優しくなりましたよ…。(NPOの人たちは初めから優しかったけど。)

 

人は見た目が9割なのか。

 

というのも体験しましたよね…。

3週間後には あっさり正職員で、病院職員として就職決まったんですけどね。
あほみたいにあっさり。
私のそれまでの半年間の、鍼灸師としての就活はほんとなんだったの?なんなん?
時間の無駄??…ってなったけど。

NPOの職員の人は、就職を報告しに行くと 泣いて喜んでくれた。
ダメ出しのハロワの人も、ちょっと涙ぐんでくれていた。
(これにはびっくりした)
そして鍼灸師になれなかったことについて、
「自分を必要以上に責めないでね。」
と 声を掛けてくれた。

 

だけど この世の中、結局、結果がすべて。

 

そう声を掛けてもらえたのは、あの時 心底 就活に疲れ果ててボロボロだった私には 優しさ、で ありがたかった…けど。

(こんな しおっからい経験をしたおかげで、フードバンクや、子供食堂のこと、
もう少し時間に余裕ができたら、このことについてもいろいろ知りたくなりました。)


今までだったら気がつかないところも、気づくようになった。
病気持ちに 医療従事者は厳しい。
自分たちもいつかは、病気になって死ぬのにねぇ。 


まぁ、でも 病気を抱えた人を診る立場の人が病気持ちだったら、そりゃ困りますよね。若く元気で明るくバリバリ、仕事をこなせる人がほしいのは どんな職場でも当たり前のことだと思う。

だけど、それぞれの人に事情がある。
「分かってる」ように感じていたことが、じつは「分かってない、分かってないなかった」ということも。
分かったようなつもりになってるんだよね。

自分が体験してみないと、当事者になってみないと 本当に分かることは、できない。

そして今までは就職や生活や困ってきていなかったこと、恵まれていたことにも気がついた。まわりの人に私は恵まれていた。
今、私の周りにいてくれている人たちには、本当に感謝しかないです。

 

あのまま、鍼灸師での就活を行っていたらどうなっていたのかと考えると、 …そらおそろしい。
ほんとうはもう2度とやりたくない、と思ってた元の仕事だけど、生活していくには今は、今の道しか、今は ない。  

 

そして行く場所があるっていうのは、素敵なことで(そこが本意ではなくとも)
あれだけ落ち続けたら、もー、自分は社会(=鍼灸師の社会)から必要とされてないんだね…。と、なる。やさぐれ一歩手前。

「働きたいんだよぉ!!」

…と思っても、要らない人。
価値のない人。

 

病院で経験してきたことは ひとつも無駄はなく身を救うんだなと、しみじみ、思った。

 

夢、という甘い幻想みたいなものはもう持ってない。
夢って、ホントその響きは良いよね…。

 

見るものではなく、叶える。
やりたいことは、行動せねば。まずは。
私の失敗は、はっきりと定めて行動してこなかった結果だと思ってる
だから?と言って今、ビジョンはあるのか??と聞かれても、返答に困る。
そんな宙ぶらりんな日々ですけどね…。

 

鍼灸師の就職は、一般企業や病院で就職経験のある社会人だった私には、労働条件も正直 かなり厳しかった。
仕事時間も長い。
お給料面でも、社会保障の面でも、
こ、これでどうやって生活するの?…という…。
国家資格を取っただけでは、はっきり言って鍼灸師にはなれない。
いくら学校で好成績を残したとしても

まったく・そんなものは・通用しない。
(むしろ必要なかった)

よっぽど心から純粋に鍼灸師になりたくて貧乏生活でもいとわないなら話は別だけど、奨学金を返済しながら生活して、食べていかなければならない私にとっては、生活がまず一番。
安定は身に染みるほど重要。
無駄な夢より、一番大事。

 

なまぬるかった1年前、いや、学生だった頃の自分に言いたいことがあるとすれば

・現実まったく甘くない。
・医療従事者は病気持ちの医療従事者、生活困窮者に対して めっちゃ厳しい
(あらためて認識)半端ないですね。
鍼灸師は(鍼灸、だけをしたいなら)就職難 ってこと。

 

学校にいるときにもっと真剣に就職が難しいということについて考えるべきだったし、学校側も学生に、学生のうちから口をもの・すごーく酸っぱくして言った方がいいと思う。
鍼灸師の数は増え続けてるのに受け皿、ったら 無いよ。
社会保険をつけてくれるところも多くないし。

仕事を選ばなければ鍼灸師として働く道はいくつか、あったけど…
内容はマッサージ、リラクゼーションになる。

 

鍼、
灸、

をしたい。これをしたい。と思うと、
無い。
無かった、に 近いのです。
(あるのかもだけど、受け皿は、私には無かった。)

 

やりたいことをやりたいと貫くなら、それだけの覚悟や資質、経済力が必要。
そのことを考えて来なかった(…ほんのすこし片隅にはあったけど、なんとかなるさ、の楽天的なのが災いした)そんな自分がいちばん、今は 恥ずかしい。

 

あと体調管理。これも大事。
なりたくて病気になったわけではないけど、体って資本で、基本。

 

今のところではほとんど休まずに働けています。これも日頃、定期的にきちんと受診して管理+自炊をしているのが良いのだと思う。
風邪もめったにひかない。
(まわりではインフルが猛威を奮っておりますが、それって何ですか?。ってくらい、うつらない。)
厳しい環境に身を置くなら、それなりの覚悟と自己管理は重要。それが、ゆくゆくは信頼関係につながる。
心がポキッと折れない訓練も、中高生のリアルな学生の時に もうすでに学んでおきたかったもんですよね。。
身につけたかったよ、いーだけ いー歳になっても、壁には容赦なくブチ当たるんだもの。(まぁ、そー簡単には折れませんけど。)
てかそんなの学校では教えてくんないですけどね。自分たちで頭をぶっつけてくしかないのね、根性論だいきらいだけど。

 

目の前には、大きな黒い「あなぼこ」は、いくつも無数に空いているんだな…
という空虚な怖さというのも、生まれて初めて体験したことだった。
「あなぼこ」に落ちる前に、自分の身を守るためにも先々のことはしっかり考えていかないと、と、しみじみ思うのです。

 

最後に、山田ズーニーさんの言葉。

「自分自身をふりかえって、たいして努力もせず何にも考えず生きてた頃は、 「自分らしさ」と言われて何もでてこなかった。

学生の言葉
「自分らしさとは、けもの道を駆け上がるように生きて、ついた筋肉」、
ほんとにそう。そして、余計な筋肉をはりつけてしまった大人は一度それを捨てることで自分になる。」

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